Eくんが教えてくれた「困りを減らす」と「長所を伸ばす」療育の力
知的な遅れがあっても、体はとっても元気でパワフルなお子さまは多いです。
走る・飛ぶ・叫ぶは全力。特に、感情が爆発すると手がつけられない。
児童発達支援の現場で、私が最初に「正直、どうしたらいいんだろう…」と悩んだのが、Eくんとの出会いでした。
「要求が通らない=大感情爆発」だったEくん
Eくんは、知的にはかなり重度だけど、体はとても元気。
- ちょっとでも要求が通らない
- 思い通りにならない
そんなときにはすぐにスイッチが入ってしまい、
- 椅子には座っていられない
- 大声で泣きわめく
- 物を投げる
- いじけてどこかへ行ってしまい、戻ってこない
という大きな癇癪が、毎回のように起こっていました。
私は児童発達支援施設に転職し、
Eくんの担当になったばかり。
個別の指導中に大感情が爆発すると、
先輩の先生たちが慌てて入ってきて、
「こうすると落ち着きやすいよ」と代わりに対応してくれる。
“お子さまを見る理学療法士としての経験はそれなりにあるはずなのに、
自分は何もできていない”
そんな情けなさと悔しさで、
自信を失いかけた時期もありました。
でも同時に、
「この子を絶対笑顔にさせてみせる。」
そう強く思わせてくれたのも、Eくんでした。
「この子にとっての“幸せ”ってなんだろう?」
私はEくんの個別支援計画を作成することになり、
改めて深く考える時間を持ちました。
- この子にとっての“幸せ”って何だろう?
- 何ができたら、この子は少し楽になるんだろう?
- どうすれば「困っていること」を、少しでも言葉や行動で表現できるようになるんだろう?
“問題行動を減らす”だけじゃなくて、
“この子なりの生きやすさと楽しみ”を増やしたい。
それをゴールに設定して、支援を組み立てていきました。
絵カードとジェスチャーで、「怒る前」に伝えられるように
Eくんは、言葉でのコミュニケーションがとても難しいお子さんでした。
だからこそ、まずは「伝え方の選択肢」を増やすことから始めました。
- 絵カードを使って、
「もっと」「おしまい」「お水」「トイレ」などの要求を練習する - 簡単なジェスチャーで、「もう一回」「手伝って」のサインを覚えてもらう
少しずつ、“大爆発”の前に、
「こうしてほしい」
「これはやりたくない」
を出せる場面が増えていきました。
年長さんになる頃には、
短い時間なら椅子に座ってプリント課題にも取り組めるようになり、
こちらが驚くほど集中してくれる日もありました。
おうち時間をラクにするための「家庭連携」
Eくんのお母さんとは、だんだんと何でも話せる関係になっていきました。
ある日、「家庭連携」という形でご自宅にお邪魔したとき、
お母さんが食事の悩みを打ち明けてくれました。
「食事中にすぐ立ち歩いてしまって、全然食べられなくて…」
そこで私は、
- 机の上にパーテーションを置いて、視界を少し区切る
- 周りの刺激を減らして、“食べることだけ”に集中しやすい環境を作る
というアイデアを提案しました。
「お子さんの頑張り」だけではなく、
「環境の力も借りていいんですよ」
という考え方を、お母さんと共有していきました。
長袖が着られない。“感覚の困り”にどう向き合うか
卒園式が近づいた頃、新たな悩みが
「長袖の服がどうしても着られないんです。」
Eくんは、自閉傾向も強く、
こだわりも感覚過敏もかなりはっきりしているタイプ。
- 袖が肌に触れる感覚
- 生地のゴワゴワ
- ちょっとした締めつけ感
そういったものが全部ストレスになってしまい、
長袖を着ようとすると、癇癪につながってしまうのです。
お母さんと一緒に、こんな工夫を一つずつ試していきました。
- まずは七分袖からチャレンジしてみる
- 短い時間だけ着る練習をする
- 柔らかい素材・タグのない服・縫い目が気にならない服などを一緒に探す
- 直接長袖が難しいときは、
アームカバーやタオルを腕に乗せてみる
正解が一つではないからこそ、
「この子にとってのベスト」を一緒に探す時間が、
とても大切なプロセスだと感じました。
「この子の未来を、一緒に作っている」実感
こうした試行錯誤を続けていくうちに、
お母さんとは、療育の枠を超えて、
「一緒にEくんの未来を作っているチーム」
のような感覚が生まれていきました。
困りごとをただ減らすだけでなく、
- 家での工夫
- 施設での支援
- お母さんの気持ちの整理
それら全部をつなぎ合わせながら、
少しずつ、Eくんの「生きやすさ」を広げていく。
そのプロセスそのものが、
私にとっても本当に楽しくて、嬉しい時間でした。
コーヒーショップに飾られた一枚の絵

Eくんの卒業が近づいてきた頃。
お母さんが、印象的な話を聞かせてくれました。
「この子の描いた絵が、コーヒーショップに飾られているんです。」
Eくんは機関車が大好きで、
そのコーヒーショップには
機関車みたいな形をした焙煎機がありました。
そこで、お店の方のご厚意で、
その焙煎機をモデルに絵を描かせてもらったそうです。
もともとiPadでお絵描きするのが好きで、
線や形を捉える力があったEくん。
実際にお店に足を運んでその絵を見たとき、
私は本当に驚きました。
「ちゃんと“機関車の顔”に見える。」
知的障がいは重い。
自閉傾向も強い。
こだわりや感覚過敏もあって、苦労も多い。
それでも――
“この子にしかない一芸”がたしかに光っている。
そう強く感じた瞬間でした。
困りを減らすだけじゃなく、長所をとことん伸ばす場所を作りたい
Eくんとの出会いは、
私の夢を明確にしてくれました。
「障害があっても、その子の長所をとことん伸ばせる場所を作りたい。」
芸術でも、ものづくりでも、ITでも、何でもいい。
その子の“好き”と“得意”を、仕事や自己実現につながるレベルまで育てていく。
障害があっても、ハンデがあっても、
年収で言えば1000万・2000万と稼いでしまうような人がいてもいい。
私は本気で、そう思っています。
もちろん、
・癇癪を減らす
・日常生活の困りを軽くする
支援はとても大切です。
でもそれと同じくらい、
「この子にしかできないこと」
「この子だからこそ光る長所」
を見つけてあげることが、
人生を“楽しく”するうえで決定的に大事だと感じています。
Eくんとの時間は、
将来、障がいのある子どもたちのための保育・療育施設を作りたいという、
私の夢をさらに強くしてくれた、大切なきっかけです。
どんなお困りも受け止めます
もし今、
- 癇癪が激しくて手を焼いている
- 感覚過敏やこだわりが強くて、衣服や生活で困っている
- 知的な遅れが重く、「この子はどうやって生きていけばいいんだろう」と悩んでいる
そんな思いが少しでもあれば、
一度フラワーキッズの訪問トレーニング体験をしてみませんか?
お子さまの
「困りを減らす支援」と
「長所を伸ばす関わり」を、
ご家庭の環境も含めて一緒に考えていきます。
ママがひとりで抱え込まなくていいように。
そして、お子さまが
「人生って、ちょっと楽しいかも」
と思える未来につながるように。
初回体験だけでも大丈夫です。
ぜひ、一度お話を聞かせてください。
今日も笑顔でいきましょう🌸
🎁 我が子の癇癪タイプがわかる!
完全ガイドを無料プレゼント
5つの質問で癇癪タイプを診断!
タイプ別の3ステップ対応法がすぐわかります
📱 今すぐ無料で受け取る
※LINE登録後すぐにダウンロードできます


コメント