「うちの子、全然動かないんです。ずっと床をいじってるだけで……」
ダウン症のお子さんの中には、
「動かない」「興味が広がらない」ように見える子がいます。
でもそれは、“意欲がない”わけでも、“サボっている”わけでもなくて、
「心を動かしてくれるキッカケ」に、まだ出会えていないだけ
かもしれません。
療育センターで出会った3歳の男の子、Dくん。
彼との関わりは、
「子どものリハビリは、まず“楽しい”から」
という今の僕の考え方をつくってくれた、大切な経験です。

とても熱心なご家族と、“動かない”Dくん
療育センターで担当した、ダウン症の3歳の男の子・Dくん。
お父さんもお母さんも療育にとても前向きで、
個別リハビリだけでなく、
ダウン症グループにも参加し、プール活動などのイベントにも
何度も足を運んでくれるご家庭でした。
「この子のためにできることは、全部やってあげたいんです。」
その想いが、言葉や表情からあふれていました。
一方で、Dくんはダウン症の特性に加えて自閉傾向が強く、
- 床をいじいじしている
- 同じおもちゃだけを、静かに長時間触っている
- 靴下をさわっているだけで、なかなか動き出さない
という様子がよく見られました。
歩行練習や階段の登り降り、体幹のトレーニングなども行っていましたが、
「自分から動き出す」「新しいことにチャレンジする」
というところまでは、なかなか届かない日々が続いていました。
興味の広がりにくさが、発達のブレーキに
観察を続ける中で見えてきたのは、
Dくんの“興味の広がりにくさ”でした。
- 視線が限られたところにしか向かない
- 目新しいものを見せても興味を持たない
- 新しい遊びに誘っても、すぐ元の場所に戻ってしまう
この「興味の幅が極端に狭いこと」が、
運動発達・精神発達両方のブレーキになっていると感じました。
どれだけ良い練習メニューを組んでも、
心が動かなければ、体も動き出さない。
そこが一番の課題でした。
「この子にとっての“楽しい”はどこにあるんだろう?」
療育センターには、「スヌーズレン室」と呼ばれる
光や音、揺れ、触覚などを楽しめるお部屋や、
いろいろな感覚グッズが置かれたスペースがありました。
そこで僕は、Dくんとのリハビリを
ただの“練習の時間”ではなく、
“楽しい場所に行くための時間”
として再設計してみることにしました。
- 歩行練習をしながら、スヌーズレン室まで一緒に歩く
- 体幹エクササイズのあと、感覚グッズのお部屋で遊ぶ
- 階段の昇り降りの先に、「好きなもの」が待っているようにする
「この先に、ちょっとワクワクするものがある」
という体験を、何度も何度も積み重ねていきました。
筋肉より先に、“ワクワク”する心を育てる
理学療法士という立場から見ると、
もちろん「筋力」「バランス」「姿勢」はとても重要です。
でも、Dくんと関わるうちに
“順番が逆なんじゃないか?”
と感じるようになりました。
先に鍛えるべきは、
筋肉ではなく、“ワクワク”する心なのかもしれない。
楽しいからもう一歩歩いてみようかな。
大好きな部屋に行きたいから、階段にチャレンジしてみようかな。
そう思えるようになって初めて、
運動トレーニングが“意味のある練習”になる。
Dくんが、スヌーズレン室で声を出して笑ったり、
お気に入りのグッズを見つけて目を輝かせたりする姿を見て、
僕は「お子さまにとってのリハビリは、遊びの一部なんだ」と強く実感しました。
ただ機能を回復させるのではなく、
その子の人生を、楽しく生きていける方向へ広げていくこと。
それこそが、本当にやりたいことなんだと気づかせてくれたのが、Dくんでした。
訪問トレーニングにどう活かすか
今、フラワーキッズで行っている訪問トレーニングでは、
Dくんとの経験がそのまま土台になっています。
- ただ「歩く練習をしましょう」ではなく、
“この先にある楽しみ”までセットで設計すること。 - 子どもが自分から「やってみたい」と思える環境づくりを、
家の中・近所の公園レベルで一緒に考えること。 - 筋力や姿勢だけでなく、
「笑顔の数」「楽しいと感じた瞬間」も大切な成長として見ること。
理学療法士としての専門性と、
“楽しくなきゃ意味がない”という人生観を
両方大事にしながら、
今の訪問トレーニングを組み立てています。
今、お悩みのあなたへ
もし今、
- 「うちの子、全然動かない」
- 「興味がすごく狭くて、この先が不安」
- 「本当はもっと、この子の“楽しい”を増やしてあげたい」
そんな気持ちが少しでもあったら、
一度フラワーキッズの訪問トレーニング体験をしてませんか?
理学療法士の視点と、
“楽しく生きることをあきらめない”という想いを持って、
お子さまにとっての
「最初の一歩」と「小さなワクワク」を
一緒に見つけていきます。
初回体験だけでも大丈夫です。
まずは、お話を聞かせてください。
今日も笑っていきましょう🌸
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