主役は子ども。でも、支えたいのは家族まるごと。

不安でいっぱいのママとの出会い

私は高校時代、
「子どもたちの未来を、明るく照らす存在になる」
そう心に決めました。

大学は小児専門の病院や施設で実習を重ね、
卒業後、国家試験を経て理学療法士となり、
新卒で重症心身障害児施設（療育センター）に就職しました。

そこで初めて外来を担当したのが、
1歳・二分脊椎のAくんでした。

足には麻痺があり、
これからどんな姿勢がとれるのか、
どこまで成長できるのか──。

ママの表情は、不安で張りつめていました。

「座れるようになりますか…？」
「ハイハイって、できるようになりますか…？」

今振り返ると、当時の私はまだ若く、
「ある程度はいけると思いますよ」と、
どこか曖昧で、頼りない返答をしてしまったこともあります。

それでも、心の奥ではずっと同じ想いがありました。

「なんとかしたい」
「この子の可能性を、絶対に諦めたくない」

ママとは、雑談も交えながら少しずつ距離を縮め、
「Aくんの未来を一緒につくるチーム」として
信頼関係を築いていきました。

この頃から、私の中に一つの軸が生まれます。

せっかくAくんの大切な時間を預かるなら、
トレーニングの時間そのものが、
“楽しい記憶”であってほしい。

それ以降、
Aくんとの時間は、いつも笑顔に包まれていました。

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Aくんの「できる」を増やすためのアプローチ

支援の核に据えたのは、
体幹と姿勢の土台づくりでした。

先輩理学療法士に相談し、
専門書を読み漁り、
Aくんにとって今いちばん必要なことを組み立てていきました。

バランスボールでの体幹づくり

バランスボールの上にAくんを座らせ、
私は後ろからお腹をしっかり支えます。

・前後左右にゆっくり揺らし、バランス反応を引き出す
・手のひらでお腹を包み、腹筋や背中に「ギュッ」と力が入る瞬間をつくる
・上下に軽くバウンドし、抗重力筋を目覚めさせる

最初はフラついて、泣きそうになることもありました。
でも、少しずつ、確実に姿勢は安定していきました。

座位遊びで「成功体験」を積み重ねる

体幹に力が入りやすくなってきたら、
短時間の座位遊びへ。

・お腹に力が入りやすいよう支えながら
・机の上のおもちゃで遊ぶ
・体を伸ばしたり、左右にバランスを取ったり

「できた！」
その小さな成功体験を、何度も何度も積み重ねました。

ハイハイは“移動の自信”を育てる

足に麻痺があっても、
ハイハイは「自分で動けた」という大きな自信になります。

骨盤や胸の位置を細かく調整しながら、
Aくんが自分の力で前に進める感覚を大切にサポート。

ほんの少し進めただけの日も、
ママと一緒に本気で喜びました。

未来を見据えた「立つ経験」

股関節に体重をかけることは、
脱臼予防や股関節形成にとって、とても重要です。

骨盤帯付きの長下肢装具を作成し、
安全に起立練習ができる環境を整えました。

今できることを積み重ねれば、
心と体は、必ず未来へつながっていく。

その想いで、毎回のトレーニングを組み立てていました。

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Aくんの変化と、ママの言葉

数ヶ月が経つ頃には、

・座っていられる時間が明らかに伸び
・体幹が安定し、遊べるおもちゃが増え
・「やりたい！」という意思がはっきり見えるようになりました

そして何より──
ママの表情が、少しずつ変わっていったのです。

ある日、ふっと微笑みながら、こう言ってくれました。

「Aの未来が、ちょっと楽しみになってきました」

その言葉を聞いた瞬間、
胸の奥がぎゅっと熱くなりました。

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この経験が、フラワーキッズの原点です

Aくんとママとの出会いは、
私の人生を大きく動かしました。

「お子さまにだけ支援していても足りない」
「保護者さまの不安に、真正面から寄り添わなければ意味がない」

だからフラワーキッズでは、
お子さまと家族を“ひとつのチーム”として支えることを大切にしています。

・発達の“今”を丁寧に評価すること
・小さな成功体験を積み上げること
・保護者が「家でもやってみよう」と思える関わりを伝えること

すべては、
「未来がちょっと楽しみになる瞬間」を増やすためです。

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最後に。これは、私の覚悟です。

Aくんのママの涙、
そしてあの言葉が、私の背中を押しました。

お子さまと、保護者さまのために、この身を捧げる。
人生をかけて、子どもの福祉に向き合う。

そう、心から決めました。

もし今、
お子さまの発達のことで不安を抱えているなら、
どうか一人で抱え込まないでください。

フラワーキッズは、
あの頃のAくんとママのようなご家族のためにあります。

初回体験だけでも構いません。
あなたと、あなたのお子さまの話を聞かせてください。

小さな一歩は、必ず未来につながります。

今日も笑顔でいきましょう🌷

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